酵母、キノコを含めて真菌と呼ばれる微生物の一群であり、糸状の菌糸先端から栄養や水分を吸収しながら、伸びていきます。
実際に我々がパンや鏡餅の表面に白くカビが生えたと気づくのは、この菌糸が伸びて菌糸体を作った状態の時です。
さらに、青く、黒く見えるのは、青色や褐色の胞子を作るからです。
カビが発生し、青く、黒く見える時は、沢山の胞子を作った証拠ですので、これらの胞子を飛ばさないように気をつけましょう。
カビの発育過程を図で示しましたが、胞子を作るまでの時間は、カビにとって最もいい環境の場合、1週間で数億を超える胞子を作ってしまいます。
ちなみに、カビの胞子1個は数ミクロン(1mmの1/1000)ですので、数十個や数百個では肉眼でみえません。
室内空気中にはいつもカビの胞子が浮遊しています。
カビは殆どの建材を栄養にします。
一般住宅の年間平均温度は10℃〜30℃です。
一般住宅の年間平均相対湿度は浴室以外の場所は、30%〜80%です。
すると、一般住宅の1年間の湿度は80%より低いので、カビが発生しないはず!
しかし、カビが使うのは、空気中の水蒸気(相対湿度)ではなく、物体表面の水分なので、室内の湿度が低くてもカビは発生します。
そこで、カビが発育しやすい場所をみると、浴室、洗面台、台所の
水が溜まりやすい場所や窓、壁などの
結露しやすい場所であることがわかります。
また、梅雨などで部屋の湿度が高い時期は、物体表面の水が蒸発しにくいため、カビがその水を使う時間が長くなるので、更にカビが発生しやすくなるわけです。
1m3の空気中に数百個のカビの胞子が浮遊しています。人間はカビと共存しているんですよ。
クロカビ
発生場所:浴室、台所など水周り、ホコリなど、
発生頻度:最も多い

左:25℃、1週間培養後のクロカビ集落、右:クロカビの顕微鏡像
アオカビ
発生場所:壁、壁紙、ミカンなどの食品、ホコリなど、
発生頻度:最も多い

左:25℃、1週間培養後のアオカビ集落、右:アオカビの顕微鏡像
クロコウジカビ
発生場所:壁、木材家具、革靴、ホコリなど、
発生頻度:最も多い

左:25℃、1週間培養後のクロコウジカビ集落、右:クロコウジカビの顕微鏡像
フォーマ
発生場所:浴室、台所などのシリコンパッキング、冷蔵庫、ホコリなど、
発生頻度:最も多い

左:25℃、1週間培養後のフォーマ集落、右:フォーマの顕微鏡像
シリコンパッキングの中に大量に侵入したクロカビの菌糸。
栄養があるとカビの発育が促進され、パッキングの奥まで侵入するので、栄養源になる汚れを除去することが非常に大切です。
また、奥まで侵入した菌糸は取れないのでカビ発生初期に対策を取ることが重要です。
ぜん息、アレルギー性皮膚炎などのアレルギー性病気を誘発、悪化します。
カビが揮発性有機化合物を作ります。
肺炎などの感染症を起こします。
カビの臭気中には、炎症を誘発する物質や免疫力を低下させる物質があると思われています。
浴室、洗面台、台所などの水やホコリが溜まりやすい場所は、こまめに拭き取りましょう!
また、これらの場所では、最もカビが発生しやすい場所なので、防カビ剤製品を併用するのもいいでしょう。
結露が原因である窓は結露水を拭き取りましょう!
温度差が原因で結露しやすい壁はしっかり断熱処理をしましょう。
空気の流れがない場所は湿度が高くなりやすく、カビが発生しやすいので、雨の日以外の日は、
毎朝、窓を開けて換気しましょう。
お天気のよい日には、押入れなどにしまってあるものを干しましょう。
床のホコリは、カビやダニのエサになります。また、カビはダニのエサになるので、
ホコリはこまめに除去しましょう。
人が歩くところに雑草がはえないように、いつも使っているものは、カビが生えません。
カビが生えるのは、日頃使わないもの、手の届かない場所、空気、水、ホコリなどが溜まっている場所です。
カビ対策の最良は日頃の換気およびお掃除をまめにすることです。
2007年1月
衛生微生物研究センター 所長:
李 憲俊